
子猫を迎えたばかりの飼い主さんが最初に悩むのが、「いったいどれくらい食べさせればいいのか」という問題ではないでしょうか。与えすぎても少なすぎても心配で、フードのパッケージを何度も見返した経験がある方も多いと思います。実は子猫の餌の適量は、月齢によって大きく変わりますし、同じ月齢でも体重や個体差によっても異なります。ここでは成長段階ごとに、どのくらいの量をどのように与えればよいかを詳しく見ていきましょう。
生後3週間まで(授乳期)
生後4週間に満たない子猫はまだ非常に小さく、目も開いておらず一人で歩くこともできないほどか弱い存在です。この時期の栄養源は基本的に母乳です。母猫が十分に母乳を与えられる環境を整えることが何より大切で、人が手を加えすぎないほうが良い場合もあります。
ただし、母乳が出ない、あるいは出が悪い母猫もいるため、そういった場合には市販されている子猫用のミルクで代用することができます。人工哺育が必要な場合は、赤ちゃん猫は胃が小さくて一度に食べられる量が少ないため、3〜4時間に1回を目安にミルクを与える必要があります。市販されている哺乳瓶やシリンジを使って、人肌に温めたミルクをゆっくり飲ませてあげましょう。
1日の必要エネルギー量の目安は0.24kcal/g(体重)で、この値からミルクの濃度を使って1日分のミルク量を計算することができます。衛生面にも十分な配慮が必要で、哺乳瓶の消毒や清潔な器具の使用は欠かせません。
生後4週〜2ヶ月(離乳期)
乳歯が生え始める生後3週目あたりから、ミルクから離乳食への切り替えを始める時期に入ります。子猫用ミルクに加えて少しずつ子猫(キトン)用の餌を与え始めましょう。キトン用の餌はウェットフードなら柔らかいのでそのまま与えられますが、ドライフードの場合はミルクやお湯でふやかして食べやすくしてあげましょう。
7週齢以降はミルクを使わず、離乳食と水のみの食事に切り替えていきます。体重100gあたり1日の必要エネルギー量は約24kcalが目安です。
離乳期の子猫への離乳食の作り方としては、ドライフード10gをお湯または子猫用ミルクで5分ほどふやかし、フォークなどで細かくつぶして与えると食べやすくなります。なお、子猫用ミルクは栄養があるため、その分ドライフードの量を減らさないとカロリーオーバーになる点に注意が必要です。
生後1〜3ヶ月(幼猫前期)
子猫が生まれて4ヶ月ごろまでは急速に成長し、体重は生まれた時のおよそ4〜5倍になります。この時期は特にエネルギー消費が旺盛で、成猫よりもはるかに多くの栄養が必要です。
子猫は成長するのにエネルギー消費が激しいため、体重あたりのカロリー数を成猫の2〜3倍にしなくてはなりません。つまり子猫に必要な餌の量は「体重(kg)×160〜240kcal」ということになります。例えば体重300gの子猫であれば、48〜72kcal分の餌が必要な計算になります。
この時期には消化機能が未発達なため、1日3〜4回に分けて与えるとよいでしょう。ロイヤルカナンのフードを参考にした目安量としては、生後1ヶ月(体重0.4kg)で1日約26g、生後2ヶ月(体重1kg)で約45g、生後3ヶ月(体重1.3kg)で約57gのドライフードが目安です。
生後2ヶ月前後はようやく乳歯が生えそろい、離乳食から少しずつ通常の餌へと変わる時期です。すぐにドライフードをそのまま食べられる猫もいますし、まだまだミルクを好む猫もいます。急激に成長するので、毎日しっかりと様子を見てあげましょう。
生後4〜6ヶ月(幼猫後期)
生後4ヶ月を過ぎて12ヶ月齢になるまでの期間では、体重の増加は緩やかになっていきます。この時期は体重あたりの必要エネルギーが相対的に減少していくため、エネルギーや脂肪は4ヶ月までのご飯よりも少なくしつつ、筋肉の成長に必要なタンパク質を十分に摂れる食生活が重要となります。
生後3〜5ヶ月ごろ、180日齢くらいになるとすべての乳歯が永久歯へと生え変わり、ドライフードも問題なくかみくだけるようになります。このころには、フードに記載された目安量を参考に与えていくとよいでしょう。
たとえば生後6ヶ月の子猫の場合、1日に必要な摂取カロリーは400kcal程度(ドライフードで約111g)ですので、1回に100〜130kcal分のドライフードを与えるのが目安になります。
食事の回数については、5ヶ月齢くらいまでは1日4〜5回に分けて与え、体重がある程度落ち着く6ヶ月齢を目安に1日2〜3回に調整していくとよいでしょう。
生後7〜12ヶ月(子猫後期)
生後5〜12ヶ月の子猫は、見た目はすっかり小さな成猫のようですが、まだまだ成長の途中です。骨格や筋肉がしっかりと発達し、避妊・去勢手術の有無によって体型や必要なカロリーも変わってくる時期です。
生後7〜12ヶ月齢(体重3.1kg〜4kg)の子猫に必要な1日のドライフード量は、目安として65〜51g程度となります。また、子猫が食べる量は生後5〜6ヶ月をピークに、それ以降はゆるやかに減少していきます。
生後6ヶ月齢くらいになると発情期を迎え、避妊・去勢手術をする猫も多くなります。不妊手術をすると肥満になりやすいため、不妊手術を受けた猫用の餌に変えたり、これまで以上に餌の量に気をつける必要があります。
餌の量を決める基本の考え方
猫の食事量に「全員共通の正解」はありません。必要な量は、猫の状態や生活環境によって変わります。フードのパッケージに記載されている目安量はあくまでも出発点として参考にしつつ、愛猫の体重や体型を定期的に確認しながら調整していくことが大切です。
給餌量の目安は体重を基準に算出されますが、基準にすべきなのは現在の体重ではなく理想体重です。すでに太り気味の猫の場合、現体重に合わせて量を決めると過剰給餌になりがちです。
子猫時代は目安量より多少多く食べても問題はなく、栄養不足に陥ることのほうが問題です。特に子猫時代は体の基本をつくるとても大切な時期であり、栄養価の高いご飯をしっかり与え、丈夫な体づくりを意識することが重要です。ただし、成長が落ち着いてきたら体型チェックも怠らないようにしましょう。体型の確認には、肋骨を触って骨の感触がわかるか、横から見てお腹のくびれがあるかなどが判断の参考になります。